先月(2011年6月)22日、ハンナラ党と民主党は、今国会においてKBS受信料引上案につき文放委(文化体育観光放送通信委員会:문화체육관광방송통신위원회)で28日に、本会議で30日にそれぞれ議決することで合意したとの発表を行いました。

しかし、その翌日、民主党は最高委員と国会文放委員との合同会議において、上記合意を破棄しました。

さらにその翌日(つまり6月24日)に開催された国会文放委会議の席上、ハンナラ党のハン・ソンギョ議員は「昨日の民主党の会議の『発言録』がある」と述べ、その一部を読み上げました。

すると、民主党サイドは「盗聴された疑惑がある」としてその翌日(つまり6月25日)にソウルの永登浦(영등포)警察署に捜査依頼を行いました。

警察の捜査に関する報道の中で、一部マスコミがKBS(に疑惑があるといった趣旨)について言及すると、KBSサイドは「根拠もなく会社(KBS)や記者の名誉を毀損する主張であり、法的措置をとって厳重に責任を追及する」との声明を発表しました。

そして、先週金曜(つまり7月8日)午前、警察がKBSの1記者の自宅を家宅捜索したところ、その行動に対してKBSの報道本部は「(今回の)家宅捜索は確固たる証拠もないまま特定の政治集団の根拠なき主張と一部マスコミ等が提起した疑惑を基になされたものであり、この点は報道機関であるKBSに対する冒涜であり『言論の自由』に対する深刻な脅威であると看做さざるを得ず、強く抗議するものである」との立場を明らかにしました。
また、「疑惑解消の次元において、法的要件を具備した正当な事項に対しては必要な協力を回避する理由はないという点についても明確にする」とも述べました。

さらに、昨日(つまり7月11日)、KBSの政治部は「特定の記者を盗聴の当事者として疑う政界と一部マスコミの推測に満ちた疑惑の提起はまったく根拠のないものである点を強く主張し、法的対応を通じて民事上・刑事上の責任を追及するものである」との声明を発表しました。
と同時に、民主党の会議が開かれた当時、その内容を把握する過程において会議に関与する第三者の協力があったという点についても、「憶測を防ぐ」ため不本意ながら認めることも明らかにしました。

以上の事実関係を踏まえ、論説では、以下のような指摘がなされています。

・盗聴は犯罪である。
・誰かに犯罪の疑惑を提起しようとするのであれば、提起する側からそれに足りうる証拠を提示するのが順序(道理)ではないか。
・一方(疑惑を提起している側)は、まずは「潔白」であることを明らかにしろと述べている。
・(すわなち)「取材源」を明らかにしろという趣旨であるが、取材源の保護はマスコミにとってはまさに「命」と等価である。

そして、

・「盗聴が犯罪である」ことを既定している「通信秘密保護法」も、「言論の自由」と「プライバシーの保護」のために作られた「法」なのである。

として論説は締めくくられています。

上記「ニュース解説」は、KBSのサイトの以下のページで(ストリーミング動画による)視聴が可能なほか、解説の内容(スクリプト)をテキストベースで閲覧することも可能ですので、ご興味のある方はアクセスなさってみてください。

http://news.kbs.co.kr/special/digital/newscomm/2011/07/12/2322429.html