本日(20011年7月22日)のニュース解説では、貯蓄銀行(の不正事件)問題を再び取り上げています。

※貯蓄銀行問題については今月(2011年7月)5日の放送でもテーマとして取り上げられていますので、以下の記事もあわせてご参照いただければ幸いです。
http://www.k-sup.net/archives/932

「来月(2011年8月)12日までに完了することで与野党が合意した(はずの)貯蓄銀行に対する国会における国政調査が、いまだ開始すらされない状況のままです。」

との第一声で解説は始まります。

また、その(調査が開始されない)理由として、以下の点を挙げています。

・民主党側が、ハンナラ党の要求どおり(民主党)所属議員7名を出席させるから、ハンンナラ党側も朴槿惠(パク・クンヘ:박근혜)元代表の弟である朴志晩(パク・チマン:박지만)氏夫妻の他、靑瓦台(チョンワデ:청와대:*大統領関連の行政機関及び大統領官邸を指す総称)の民政(担当)主席等を証人として出席させるようにと主張していること。
・これに対し、ハンナラ党側は、具体的な根拠もないままに証人を採択することは困難であるとして対抗していること。

上記のような状況を受け、解説委員は次のように語ります。

「今回の国政調査は、釜山貯蓄銀行の大株主及び経営陣の横領、政・官界に対するロビー活動疑惑、特恵(的な預金の)引き出し疑惑等について明らかにすることがその核心であるが、20日を過ぎてもいまだ証人採択を巡る与野党間の『言い争い』ばかりに終始している現状を見るにつけ、果たして国政調査を実施しようとする意志があるのだろうか・・もどかしい限りです。」

さらに嘆きは続きます。

「庶民達が汗水流して蓄えたお金を湯水のごとく使ってしまうような関係者に対して責任を問い、厳重に処罰すべきであるという(世論の)要求があるにもかかわらず、これまでに検察が公表した捜査の『成績表』はお粗末な限りです。」

また、現状について以下のように説明しています。

・預金者及び後順位債権者の被害者だけでも49万名余りに達していること。
・ずさんな貸し出し過程の中で、使途不明なままとなっている金額が5000億円を越えると言われていること。
・李明博大統領までこの事態を憂慮し、数度にわたり徹底的な捜査を要請したにもかかわらず、いまだ、資金の出処、ロビー疑惑の実態等、何ら明確にはなっていないこと。

こうした状況(遅遅として事態が進展しない点)をとらえ、被害者の立場や一般世論を考慮して以下のように述べています。

「事件の実態究明を切望し、藁をもすがる思いでいる被害者の立場からすれば、なんとも呆れるばかりの実情です。政界のこのような態度に対しては、『パンドラの箱』のごとく、今回の事件の顛末をきちんと明らかにしてしまうことは自分たちの不正発覚にもつながりかねず利益にならないため、与野党ともに事実を覆い隠してしまおうという意図から激しく争うふりだけを見せて時間を引き延ばしているのではないか・・と疑念視する向きもあります。」

そして、最後に以下のような批判・提言が述べられて解説は締めくくれられています。

・検察は信用できないとばかりせわしくしゃしゃり出てきた政界ではあるが、それでは今まで何をしてしてくれのだ・・と国民は問うている。
・もう少し待って(堪えて)くれ・・といった態度で時間を浪費してはならない。
・不良債権を抱える貯蓄銀行の事態をどのように収拾し、隠匿された財産や犯罪による不正な収益をどのようにして現状回復させるかについても議論されなければならない。
・固く閉ざされた銀行の門を握り締め涙を流した街の老いた商人たち、その他多くの庶民の流した涙を拭いてくれる人たち(政治家)が今こそ立ち上がるべきときである。

上記「ニュース解説」は、KBSのサイトの以下のページで(ストリーミング動画による)視聴が可能なほか、解説の内容(スクリプト)をテキストベースで閲覧することも可能ですので、ご興味のある方はアクセスなさってみてください。

http://news.kbs.co.kr/special/digital/newscomm/2011/07/22/2327957.html